この記事の要点
- マンションのEV充電は、工事より先に「決めること」が多い
- 台数・電気の容量・費用の負担・利用料・総会での決め方、の5つを先に決める
- 補助金は年度ごとに受付期間と予算枠があるので、逆算して動く
電気自動車(EV)に乗る方が増え、分譲マンションでも充電設備を求める声が出てきました。ところが実際に動き出すと、多くの管理組合が戸惑います。工事そのものより、先に決めておくことの方がずっと多いからです。
ここでは、検討を始める前に押さえておきたい5つのことを、管理組合の目線で整理します。
1. 何台分を、いつまでに用意するか
今EVに乗っている世帯の数だけで決めると、数年で足りなくなります。反対に、最初から全区画に設けると費用が膨らみます。まずは住民へのアンケートで、今の需要と数年以内の買い替えの予定をつかみ、「最初に何台、将来どこまで増やせる形にするか」を決めます。
2. 建物の電気の容量に、余力があるか
充電設備は、まとまった電気を使います。建物が受け取れる電気の量に余力がなければ、受電設備の増強という大きな工事が必要になることもあります。専門業者による現地調査で、今の設備のままで何台まで設けられるかを最初に確かめます。
3. 費用を誰が負担するか
設置の費用を管理組合が持つのか、使う人が持つのか、設備を提供する事業者が持つのか。方式によって、初期の負担と、その後の利用料や契約期間が変わります。いくつかの方式を同じ条件で並べて比べることが大切です。
4. 利用料と、使わない人との公平
充電に使った電気代を、使った人がきちんと負担する仕組みが要ります。共用の電気代にまぎれてしまうと、使わない世帯が負担することになり、後々の不満につながります。利用の申し込み方や、区画の割り当ての考え方も、あわせて決めておきます。
5. 総会で、どう決めるか
共用部分に設備を設ける場合、管理組合の総会での決議が必要です。工事の内容によって、普通の決議で足りる場合と、より多くの賛成が必要な特別な決議になる場合があります。あわせて、利用のルールを定めておく必要もあります。議案の書き方と、事前の説明の丁寧さが、合意の得やすさを大きく左右します。
補助金は「逆算」で動く
国や自治体には、充電設備の設置を支える補助制度があります。ただし年度ごとに受付の期間と予算の枠があり、総会の決議を済ませてから申請する形が一般的です。総会の開催時期から逆算して、検討の開始時期を決めておくと、機会を逃しにくくなります。
当社は、管理組合・住民・設備会社の間に立って、こうした合意づくりと段取りを進めるお手伝いをしています。