COLUMN/不動産・建物

マンションにEV充電設備を入れる前に、管理組合で決めておく5つのこと

2026年9月25日 ・ 約6分で読めます ・ 文:山田 昌平(代表取締役 CEO)

この記事の要点

  • マンションのEV充電は、工事より先に「決めること」が多い
  • 台数・電気の容量・費用の負担・利用料・総会での決め方、の5つを先に決める
  • 補助金は年度ごとに受付期間と予算枠があるので、逆算して動く

電気自動車(EV)に乗る方が増え、分譲マンションでも充電設備を求める声が出てきました。ところが実際に動き出すと、多くの管理組合が戸惑います。工事そのものより、先に決めておくことの方がずっと多いからです。

ここでは、検討を始める前に押さえておきたい5つのことを、管理組合の目線で整理します。

検討の開始 現地調査 方式と負担を決める 総会で決議 補助金申請・工事 運用開始 ここに一番時間がかかる
時間がかかるのは工事ではなく、「方式と費用の負担を決め、総会で合意する」部分です。

1. 何台分を、いつまでに用意するか

今EVに乗っている世帯の数だけで決めると、数年で足りなくなります。反対に、最初から全区画に設けると費用が膨らみます。まずは住民へのアンケートで、今の需要と数年以内の買い替えの予定をつかみ、「最初に何台、将来どこまで増やせる形にするか」を決めます。

2. 建物の電気の容量に、余力があるか

充電設備は、まとまった電気を使います。建物が受け取れる電気の量に余力がなければ、受電設備の増強という大きな工事が必要になることもあります。専門業者による現地調査で、今の設備のままで何台まで設けられるかを最初に確かめます。

3. 費用を誰が負担するか

設置の費用を管理組合が持つのか、使う人が持つのか、設備を提供する事業者が持つのか。方式によって、初期の負担と、その後の利用料や契約期間が変わります。いくつかの方式を同じ条件で並べて比べることが大切です。

4. 利用料と、使わない人との公平

充電に使った電気代を、使った人がきちんと負担する仕組みが要ります。共用の電気代にまぎれてしまうと、使わない世帯が負担することになり、後々の不満につながります。利用の申し込み方や、区画の割り当ての考え方も、あわせて決めておきます。

5. 総会で、どう決めるか

共用部分に設備を設ける場合、管理組合の総会での決議が必要です。工事の内容によって、普通の決議で足りる場合と、より多くの賛成が必要な特別な決議になる場合があります。あわせて、利用のルールを定めておく必要もあります。議案の書き方と、事前の説明の丁寧さが、合意の得やすさを大きく左右します。

補助金は「逆算」で動く

国や自治体には、充電設備の設置を支える補助制度があります。ただし年度ごとに受付の期間と予算の枠があり、総会の決議を済ませてから申請する形が一般的です。総会の開催時期から逆算して、検討の開始時期を決めておくと、機会を逃しにくくなります。

当社は、管理組合・住民・設備会社の間に立って、こうした合意づくりと段取りを進めるお手伝いをしています。

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